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通常出荷する前、酒に2度ほど加熱殺菌を施します。これを行わないものが「生酒」と呼ばれるもの。酵母菌の生きた、フレッシュな果物のような香りと、すっきり切れ味が特徴です。新鮮だからこそ保存が難しく、買ったらすぐ冷蔵庫に入れ早めに飲むのがベター(5〜10度がおいしい)。そして一度開けたら飲みきってしまうのが一番。実は3つのタイプに分けられます。
- その1:「生詰」しぼった酒を一度だけ殺菌するもの
- その2:「生貯蔵酒」しぼった酒をタンクで貯蔵。
瓶詰め前に加熱殺菌を施したもの
- その3:「本生」or 「生酒」いっさい加熱殺菌を施さないもの
どれも「生」という字が使われていますが、本来の意味からすると、完全な生の風味が楽しめるのは「本生」or「生酒」で、それに近いものが味わえるのが「生詰」「生貯蔵酒」ということになります。
「生酒」の中には発酵中の炭酸ガスが残っているために、シャンパンのような飲み口のものもあります。「夏の暑い頃冷奴と一緒に生酒をきゅーっと一杯」という生酒ファンは実に多いのです。
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冬から春に造った酒は、夏が過ぎる頃まで貯蔵されます。そうして旨味が増した秋に出荷をする「生詰」酒のことです。フレッシュさと、まろやかさが溶け合っています。
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スキー旅行などに出かけたとき、誰かが「やっぱりにごり酒でしょう」と言うのを耳にしたことはありますか?外国人のお友達に「日本酒の中には、Cloudy(曇った) Sakeなるものがあるらしい。それは何?」と聞かれたことはありませんか?
醪(もろみ)をろ過し、クリアな清酒と酒粕に分けるとき、目の粗い網・布などでろ過し、白濁した清酒を製品にしたものが一般的に「にごり酒」と言われているものです。韓国のマッコルリや、モンゴルの馬乳酒など、アジアの中には同じような白濁酒があり、日本の「にごり酒」のルーツと考えられています。日本国内には、神事・祭礼に使う濁酒を造っている神社が今でも存在しています。
昔は全ての酒がいわゆる「濁酒」でした。ところが江戸時代初期、偶然にも灰を投入したことからクリアな酒が出来、それが評判をよんで、現在の清酒の基礎がつくられたのです。
現在では「にごり酒」の造り方は、基本的に二つあります。ひとつは上記の通り、目の粗い網や布でもろみをろ過する方法と、もうひとつは、一度普通にろ過して清酒を搾り、後から分離した酒粕を加えるという方法です。蔵によって造りかたはそれぞれです。
- その1:「オーソドックスなにごり酒」高アルコール、濃厚甘口
- その2:「うすにごり」スムーズな口あたり
- その3:「発泡タイプ」炭酸がきいて爽やか
- その他いろいろなタイプのにごり酒があります。一般的なにごり酒は「生酒」ですが、加熱殺菌を行った「火入れ」タイプもあります。
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大吟醸などの「高級酒」を造るとき、もろみを袋に入れて吊るし、人の力を加えず、もろみ自体の重さだけで滴らせるのが「袋しぼり」と呼ばれているものです。「袋吊り」「しずく」等とも呼ばれます。
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もろみを搾りはじめて、最初出てくる酒をそう呼びます。香りが高く、荒々しい中にも感じられるフレッシュさが特徴です。「しぼりたて」とも呼ばれます。
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搾りの際、「あらばしり」の次にでてくるものです。この部分を特別に瓶詰めにしたもの。「中取り」「中汲み」とも呼ばれています。バランスのとれた味わいが楽しめます。
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