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蔵元、杜氏、蔵人 The People -- Kuramoto, Toji and Kurabito
酒蔵の経営者が「蔵元」、酒造りを実際に行う人々が「蔵人」、「蔵人」のリーダーが「杜氏」です。酒が造られる時期は冬。よって「蔵人」たちは 基本的に、毎年「蔵元」と契約を結んで働くことになっています。
「杜氏」は各現場1人、料理長のような船長のような存在であり、その下で働く「蔵人」が数人います。約10人でひとつのグループとなって酒造 りを行います。江戸時代の末期「寒造り」という統制がしかれて以来、酒造りは冬期集中の季節作業として確立されてました。暖かい間農業・林業・漁業などに携わっている人々が「出稼ぎ労働」として、酒造り職人グ ループを形成。冬の間、各地の蔵元に酒造りの専門家として雇われるのです。
「蔵元」は信頼と実績のもと、「杜氏」にその年の酒造りを任せます。ですから優れた「杜氏」「蔵人」は"また来年もお願いします"ということになり 、中には勤続50年以上という人もいるほどです。
お酒のラベルに「杜氏」の名前や「杜氏の出身地」が書かれているものがありますが、よく目にするもので南部杜氏・越後杜氏・丹波杜氏などが あります。この「〜杜氏」というのは、日舞などの「〜流」というようなもので、各々がこだわりと独特のメソッドを持っています。例として原料米、その処理方法に流派ごとの違いがみられます。
現在、上記の3つを含む杜氏組合は全国で24。そこに登録している「杜氏」は約1500人と言われています。1950年代には登録者数が約5000人いたとされており、年々高齢化と後継者不足が進んでいます。その 理由はさまざま。専業農家の減少・季節労働や、合宿スタイルの泊り込み労働の不人気・一人前になるには10年以上かかるといわれる世界・厳しい冬の最中、朝早くから夜遅くまで続く重労働・けれども身分が不安 定、といったことが考えられます。
その反面、情熱をもって「杜氏」を志す若い人もでてきました。蔵元である父親が社長として営業面を仕切り、その息子や娘が蔵に入って酒造りを 学びいずれは「杜氏」を目指すというケース。大学で醸造学を専攻し、卒業後は蔵に弟子入りして酒造りの実践を学ぶというケース。自社「杜氏」の育成を図る蔵元など、新しいスタイルで造り手の育成が始まっています。
全国の杜氏組合の所在地と、杜氏数の推移が詳しい表になっています。
参考サイト
http://www.gekkeikan.co.jp/databank/data/00128.html
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