蔵とその歴史 The Kura and Its History 明治5年創業。静岡県小笠郡にて一筋に酒造りを続け、現在の当主・土井清幌氏は第四代目。土井家は代々地元の名主でしたが、明治維新を期に新しい生き方を模索した初代・土井弥市氏が造り 酒屋の道を選んだのです。「開運」という酒名は地元・小貫村の発展を願ってつけられました。
神秘の水 Mysterious Water 蔵より南へ2キロ行ったところに、国の史跡に指定されている高天神城跡があります。そこで湧き出る水を運び「開運」の仕込みに使っていますが、この水が不思 議な水として知られているのです。"軟水"であるため発酵が遅いはずですが、この水にかぎってよく発酵し、その上ろ過する必要もなく、一切の加工なしにそのまま使えるのです。水は名酒の命 ――豊潤で口当たりのやわらかい「開運」はそんな澄みきった、冷たい不思議な山の水で作られているのです。
静岡の酒 Shizuoka Sake 昭和61年全国新酒鑑評会で金賞10、銀賞を含めた入賞が17と大躍進 を遂げた静岡県産の酒。以来、銘醸地・人気酒処のひとつとなりました。その発展を支えたのが新酵母を開発した河村伝兵衛氏。今では県ごとに盛んに行われている酵母開発の先駆者です。「開運」はこの一連の酵母 開発にも大きく貢献し、低酸で香り高い淡麗型の静岡吟醸の原点とも言うべき酒、といわれています。
これまでも、これからも Until Now and From Now On 30年以上杜氏を務めているのが能登杜氏・波瀬正吉氏。毎年「開運」の 中で一番気に入った酒に「能登流波瀬正吉」と銘名しています。いい酒だけを世に送り出す、頑固なまでに職人気質の土井酒造場は、これからも名酒を造り続けていきます。 |