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  蔵とその歴史
The Kura and Its History
鳥取県智頭（ちず）町で醸される地酒「諏訪泉」、創業 は安政６年（１８５９年）です。それまでは旅館「梶屋」を営んでいましたが、酒屋の権利を得て造り酒屋となり、県下では最も古い蔵といわれています。昭和４８年頃には灘のメーカーへの"桶売り"も含め４５００石 は造っていましたが、昭和５０年代後半に方向転換――量より質を重視した酒造りを始め、それが軌道にのった現在の石数は年間約１４００石。酒名「諏訪泉」は蔵の裏山にある信州諏訪神社の分霊が祭られる「諏訪神社」にちなんだものです。
「天のない酒造り」
Sake Brewing is a never ending process
尾瀬あきら氏の人気漫画「夏子の酒」最終回に登場するこの言葉は、前杜氏で現在顧問を務める広島杜氏・鳴川 喜三氏が、色紙を頼まれると書いていたものです。高級酒路線を貫いて成功できたのはやはり名杜氏の存在あってのこと、平成８年には国の卓越技能者に贈られる「現代の名工」を受賞しました。その名杜氏の引退に伴い平成９年から蔵を預かっているのが、広島杜氏の岡賢太郎氏。しかし、残念ながら2004年に事故で亡くなり、代表取締役社長の東田雅彦氏が受け継いでいます。
昭和２９年、地元・智頭町出身の若い杜氏のモットーは「基本を忠実に」。古くから杉の町として知られる智頭町は 、鳥取砂丘へ砂を運んだ千代川（せんだいがわ）の源流近くにあります。蔵ではこの川の伏流水を自家井戸から汲み上げ、加工を一切施さずに、仕込みからビン洗浄まで一貫して使用しています。又、杜氏自ら酒米の栽培を 行っており、仕込みのほとんどに鳥取県産の米が使われています。
杉の雫・吟醸の会
 Local Environment-Conscious Group
平成二年、諏訪酒造五代目当主の南條倫夫氏が、酒を通じて地元の杉山保全を訴えようと、地域おこしグループに協力を呼びかけ発足しました。寄せられた会費で地元米の「玉栄」を使った大吟醸酒を仕込み、会員に配布。同時にその会費の一部を林業後継者育成に役立てる 基金とし、酒造内に事務局を設け、各種イベント等も企画しています。
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