蔵とその歴史 The Kura and Its History 創業年の詳細は不明なほどその歴史 は古く、南北朝時代(1300年代)には北朝に仕えていた豪族が当主でした。一番古い記録によると1141年には酒造りをしていたことが判明していますが、それ以前は詳しく解明されていません。江戸時代には幕府の代官をつとめ、財政 再建のために酒造りに励み「酒造り代官」とも呼ばれていたのです。現在の当主は第五十五代目。由緒ある旧家のしきたりと伝統が受け継がれてきたこの蔵は、熱心な若手経営者とそのユニークな酒造りで知られています。酒名「郷乃誉」は郷土の繁栄に願いをこめてつけられました。800年間同じ位置にあるという、蔵内に掘られた三つの井戸からの水で、南部杜氏が酒を仕込みます。
醸す酒 Our Sake 現在、造っている酒は純米大吟醸と純米吟醸のみという「完全な純米吟醸蔵」。それ 以下の精白のものは一切造らないという理念を貫いています。しかもすべて無ろ過、殆ど火入れをしない「生」で出荷する――25年前、日本で最初に「生々酒・無ろ過の 酒」を出荷した蔵なのです。南部杜氏・藤原光男氏をはじめとする6人の蔵人と3人の技師、その他計30人のスタッフに支えられています。良い酒を造るために、地元の農家と共に酒米研究会をつくって土壌を改良。無農薬で酒米「美山錦」等の栽培も 行っています。
茨城県・小原 Obara, Ibaragi 「小原(おばら)」という地名は、小原から「いばら」になり、「いばら」から「いばらぎ」になったという、茨城県名発祥の地と言われています。古い歴史を持つこの地域に、西暦200年頃当時の天皇が海路から川を通り牛車にのってやってきた、と伝えられています。
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